パートナーと共に成長する
~調達部門の視点から皆さまへのヒント~
はじめに
「得意先から監査に伺いたいと言われたけれど、何を準備すればいいのか分からない」
「資料はあるけど整理できていなくて、当日が不安…」
こうした声を、経営者や購買担当の皆さまからよく耳にします。
監査や品質対策の要求は、取引先との信頼を維持するうえで避けて通れないもの。
準備不足のまま臨めば、厳しい評価を受けてしまう可能性もあります。
一方で、調達部門に長年いた経験から言えるのは
――監査は「信頼を深めるチャンス」だということです。
前向きな改善意欲を示せば、得意先との関係を強化し、
次のビジネス拡大につながることもあります。
得意先が品質監査を行う理由
仕入先に対して定期的に品質監査(仕入先監査)を行うのは、
多くの企業にとって当たり前の取り組みです。
その目的は大きく3つあります。
- 不良品やトラブルを防ぐため
- サプライチェーン全体のリスクを減らすため
- 自社の品質基準に合った管理体制があるかを確認するため
つまり監査は、「安心して取引を続けられるかどうか」を確かめるプロセス。
ここで前向きに対応できる企業は、「信頼できるパートナー」として評価されます。
品質監査対応の為の3つのポイント
① 書類や記録を整理する
調達部門が監査で最もよく確認していたのは、
検査成績書・作業手順書・工程表といった基本資料です。
バラバラに保管されていると当日慌てることになります。
シンプルでよいので、まとめて管理できる仕組みを持っておくことが重要です。
② 現場でルールが守られているか確認する
「マニュアルは立派だけど、現場では守られていない」
――監査で最もよく見かけた指摘でした。
普段からルールを実際に運用し、現場で実践できているか確認しておくことが大切です。
③ 改善の姿勢を示す
調達部門から見て最も評価が高いのは、完璧さよりも「改善意欲」。
たとえ指摘事項があっても、「次回までにこう直します」と
具体的に示せれば、むしろプラス評価に繋がります。
現場で実際にあった工夫
仕入先監査で信頼を得た事例
・ある企業は、監査のたびに書類探しで時間を浪費していました。
そこで品質関連書類をクラウドで一元管理。
準備時間が半分以下となり、監査対応がスムーズになりました。
・別の企業では、監査で指摘された改善点を「改善リスト」として社内に共有。
次回の監査では指摘が大幅に減り、「改善スピードが早い」と高く評価されました。
こうした工夫を通じて、「監査を改善のきっかけにできる会社」は、
調達部門から見ても長く安心して付き合えるパートナーなのです。
調達部門の経験からのアドバイス
監査の場で実際に重視されていたのは、
書類の整い具合や現場の実態だけではなく、企業の姿勢でした。
- 書類が多少不十分でも、改善計画をしっかり示せる会社
- 指摘を前向きに受け止め、次に活かそうとする会社
こうした姿勢を示せる企業は、得意先にとって長期的に信頼できる存在となります。
皆さまにとって監査は負担に感じることもあるかもしれません。
ですが実際には、「改善意欲を伝える絶好の場」と捉えることで、気持ちがぐっと楽になります。
まとめ
得意先からの品質監査は「試験」ではなく「対話の場」です。
- 書類や記録を整理しておく
- 現場でルールを守れる仕組みをつくる
- 改善の姿勢を見せる
この3つを意識すれば、監査は怖いものではなく、信頼を深めるチャンスになります。
「何から手をつければいいか分からない」
「監査のたびに慌ててしまう」
そんな時はぜひご相談ください。
調達部門での経験を活かし、御社に合った監査対応の仕組みづくりを
一緒に考えさせていただきます。
「ちょっと話を聞いてみたい」でも大歓迎です。
まずはお気軽にご相談ください。
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