タレパンとは?板金加工設備の最新事情と調達のヒント

便利な資料

タレパンとは?基本と特徴

「タレパン」とは、タレットパンチプレスの略称。金型を回転式のタレットにセットし、板金を打ち抜いたり、穴をあけたりする加工機です。大量生産向きで、同じ穴や形状を繰り返し打ち抜く作業に強みがあります。

  • メリット:スピードが速い、小ロットから量産まで対応可能。
  • デメリット:専用金型が必要で、形状変更に柔軟性がない。

最新事情

かつては「大量生産専用」という印象でしたが、最近では以下の進化が進んでいます。

  • サーボ駆動化:油圧式よりも省エネで静音。
  • レーザー複合機:タレパンとレーザーを一台で行えるため、柔軟性が大幅アップ。
  • 金型レス化の流れ:レーザー併用により「金型を持っていなくても受注できる」企業が増えてきています。

レーザー加工機とは?進化と選び方

レーザー加工機は、板金にレーザー光を当てて切断・穴あけを行う設備です。従来のCO₂レーザーから、現在はファイバーレーザーが主流となりつつあります。

  • CO₂レーザー:厚板に強いが消費電力が大きい。
  • ファイバーレーザー:薄板加工が速く、エネルギー効率が高い。

最新事情

  • AIによる自動最適化:板厚や材質に応じた条件を自動でセット。
  • 無人化ライン:夜間に人手をかけずに加工できる「lights out factory」化。
  • 厚板対応の拡大:6〜12mmクラスの厚板でもレーザーで対応可能に。

ベンダーとは?曲げ加工の要

ベンダー(プレスブレーキ)は、金属板を金型で挟み込み、直線的に曲げる設備です。曲げ精度が高く、板金製品には欠かせない存在です。

  • メリット:複雑な形状でも分割して曲げることで対応可能。
  • デメリット:金型交換の段取り時間がネック。

最新事情

  • 自動段取り替え:金型交換を自動化することで段取り時間を削減。
  • 角度センサー制御:曲げ角度をリアルタイムで補正し、バラつきを抑える。
  • 小ロット・多品種対応:多くの中小サプライヤーが導入し、短納期対応が可能に。

板厚と加工適性の基礎知識

加工設備は板厚によって得意不得意があります。

  • タレパン:薄板(〜3.2mm程度)向け。
  • レーザー:薄板から中厚板(〜12mm程度)まで幅広く対応。
  • ベンダー:板厚に制限は少ないが、厚板ほど曲げ力が必要。

板厚の目安表

板厚適した加工コメント
〜3.2mmタレパン・レーザー家電筐体や薄板部品に多い
3.2〜6mmレーザー・ベンダー機械部品、建材などで一般的
6mm以上レーザー(高出力)、切削併用「厚板」と呼ばれ、設備差が大きい

その他の板金加工設備

主要3設備を支える「縁の下の力持ち」たちです。

シャーリング:板材を直線で切断。前加工で必須。

スポット溶接機:板金同士を部分的に接合。自動車部品で多用。

ウォータージェット:高圧水で切断。熱影響を避けたい場合に有効。

ファイバーレーザー:最新のレーザー方式。省エネかつ高速加工が可能。

最新設備動向まとめ

板金加工は「熟練工の腕」に依存していた時代から、いまや設備性能による差が大きい時代に移っています。

  • スマートファクトリー化:CAD/CAMと直接つなぎ、設計から加工までデータ連携。
  • ロボティクス活用:搬送ロボットや自動仕分けで夜間無人運転が可能。
  • 調達目線でのインパクト:
    • 設備更新の早いサプライヤーほど短納期・高精度を実現。
    • 設備差がリードタイム差に直結する。

調達担当者へのヒント

調達の現場で設備を知ることは、コストダウンや納期確保に直結します。

  • 見積依頼時の確認項目
    • 「加工可能な板厚はどこまで?」
    • 「レーザーはファイバーかCO₂か?」
    • 「段取り替えは自動化されているか?」
  • 中小企業にとってのチャンス
    最新設備を持つサプライヤーは大企業だけでなく、中小企業にも広がっています。調達担当者が設備知識を持つことで、優位な交渉や新しい仕入先開拓につながります。

まとめ

タレパン・レーザー・ベンダー。それぞれの設備の特徴を知り、
さらに最新事情を押さえることで、調達は単なる「価格比較」から一歩先へ進めます。

中小企業にとっても、設備知識はコストと納期を武器に変える力になります。

RE:GENは、大手メーカーで培った経験をもとに、
こうした「すぐ使える調達知識」を発信しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました