大企業に学ぶ、調達の真髄。「板」と「粉」の先にある未来

ものづくりを支える調達

導入:常識を覆す“イタコナ”の思想

「イタコナ活動」という言葉をご存じでしょうか?

一見すると不思議な響きですが、これは大手メーカーで長年語り継がれてきた“合言葉”の一つ。

「板から粉から(いたからこなから)」――原材料の板から、製造工程で出る粉に至るまで、徹底的にコストを分解し、改善を積み重ねる姿勢を指しています。

厳しい競争環境を生き抜いてきた大企業の裏側には、このような“徹底した原価追求”と“約束を必ず実行する”という調達哲学があります。

本記事では、その考え方をひも解きながら、中小企業が実際に活かせるヒントをお届けします。

「板から粉から」――コストを徹底的に見える化する発想

パナソニックでは、かつて「イタコナ分析」と呼ばれる取り組みがありました。原材料から工程に至るまでコスト要素を細かく洗い出し、改善点を抽出する手法です。公式の活動報告にも「CO₂イタコナ活動」という言葉が見られ、エネルギーや資源の分解・見える化を通じて効率化を進める姿勢が示されています。

もちろん「イタコナ活動」という呼び名がすべての企業で共通に使われているわけではありません。

しかし多くの大手メーカーが、材料費・加工費・人件費といったコスト構成を要素分解し、サプライヤーと協働で改善を進めてきたことは事実です。

単に「安くしてほしい」と迫るのではなく、「なぜこの価格なのか」を数字で理解し、共に改善の糸口を探す。そこに、強い競争力を支える秘訣があります。

「言ったことを、事にする」――信頼を積み重ねる力

もう一つの「イタコナ」の意味が、**「言ったことを、事にする」**という姿勢です。

調達の現場では日々、改善提案やアイデアが飛び交います。ですが、それを実行に移さなければ単なる“言いっぱなし”に終わってしまいます。

パナソニックをはじめ多くの大手メーカーでは、サプライヤーとの議論で出たアイデアを必ず検討し、実行可能なら共に形にしていくことが重視されてきました。将来の技術ロードマップや開発計画を共有しながら、「共に新しい価値をつくるパートナー」として向き合う。

こうした姿勢が、長期的な信頼関係を築き、結果としてコスト削減や品質向上をもたらしているのです。

中小企業が実践するためのポイント

「そんなのは大企業だからできる話だろう」──そう感じる方も多いでしょう。

確かに、専門部隊やリソースを持つ大手と同じことをそのまま再現するのは難しい。ですが、本質はシンプルであり、中小企業でも取り入れられる工夫は数多くあります。

  • 「板から粉から」を意識する
    → 価格交渉をする前に「この価格の内訳はどうなっているのか」を質問し、サプライヤーから学ぶ。
  • 「言ったことを、事にする」
    → 会議で出た小さな改善案も、まずは一つ実行してみる。成果を社内外で共有することで信頼が生まれる。

こうした一歩が積み重なると、調達は単なる“コスト削減”を超えて、経営を支える強力な武器になります。

中小企業が抱える壁とRE:GENの役割

ただし現実には、中小企業にはいくつかの障壁があります。

  • コスト分解のノウハウが不足している
  • サプライヤーに対して「聞きにくい」と感じてしまう
  • 提案を実行するリソースが限られている

こうした壁をどう乗り越えるか。ここに、私たちRE:GENの役割があります。

大手メーカーで培った実践知をもとに、中小企業に合わせて“無理なくできるやり方”に落とし込み、現場で一緒に汗をかく。単なるアドバイスではなく、実行の伴走をすることで、「言ったことを、事にする」文化を根付かせます。

「隠れた武器」としての調達力

調達は“出金の管理部門”と見られがちですが、その本質は 経営戦略を動かす隠れた武器 です。

材料の選び方一つで、コスト・品質・納期が大きく変わり、ひいては利益率や競争力まで左右する。

大企業が長年磨いてきた哲学を、中小企業でも自分たちなりの形で取り入れることができれば――。

それは「隠れた武器」を手に入れることに他なりません。

RE:GENは、その武器を一緒に磨き、未来に繋がる調達力を育てていきます。

もし「うちの調達は、もっと良くなるのでは」と感じているなら、それは大きな可能性のサインです。今こそ、一歩を踏み出してみませんか。

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