在庫削減の第一歩は「分析」から
~性質を見極めればムダが見えてくる~
「在庫は少ない方がいい」とよく言われます。
確かに、倉庫いっぱいにモノを抱えていると、保管料や管理の手間がかかりますし、資金も“眠って”しまいます。
さらに、劣化や陳腐化のリスクも。経営者の立場からすると「在庫=コスト」と見えてしまうのも当然です。
でも、在庫は必ずしも悪者ではありません。
お客様に安定して商品を届けるための“クッション”だったり、突発的なトラブルに備える“保険”のような役割も持っています。
大切なのは、「在庫をゼロにすること」ではなく、「必要最小限にコントロールすること」なのです。
バイヤーは在庫の“多い・少ない”をどう見る?
もし仕入先に行って、棚に在庫が山積みされていたら…。
「この会社、本当に計画的にやれているのかな?」と疑問を持たれるかもしれません。
在庫が多すぎるのは、管理や資金繰りに問題があるのでは?と不信感につながることがあります。
逆に、「在庫は持ちません」「今は手元にありません」と言われるのも困りもの。
発注のたびに欠品リスクがあるようでは、安定供給に不安を感じます。
つまり、在庫は“多すぎても少なすぎても不信感を招く”。
信頼されるのは「必要な分を、適正に持っている会社」です。
皆さんの会社では、在庫の性質を把握できていますか?
在庫と言っても、すべて同じではありません。
実は、その性質によって「削減すべきか」「維持すべきか」が大きく変わってきます。
例えば:
- 対流在庫
日々の生産や出荷で自然に回る在庫。減らしすぎると欠品リスクに直結します。 - 戦略在庫
価格高騰や調達難に備える“守りの在庫”。原材料の相場変動が激しい分野では不可欠です。 - 流動在庫
季節商品やキャンペーン対応で一時的に増減する在庫。需要に応じて波があります。 - 死蔵在庫
長く動かず眠ってしまった在庫。設計変更で不要になった部品や、不良品の山など…。
ここは真っ先に削減対象です。
こうして仕分けてみると、同じ「在庫」でも役割がまったく違うことに気づきます。
削減の前に「分析」が必要です
在庫を減らすことがゴールではありません。
まずは「自社の在庫がどんな性質を持っているのか」を見える化することが第一歩です。
- 棚卸しデータや販売履歴から「動いているもの/止まっているもの」を把握する
- 数字で流れを確認して、死蔵在庫の割合を出してみる
- どの在庫が戦略的に必要で、どの在庫がムダなのかを整理する
ここまでできれば、「減らすべき在庫」と「適正に持つべき在庫」がハッキリと見えてきます。
RE:GENは在庫分析をお手伝いします
在庫削減のポイントは、「闇雲に減らす」のではなく「必要・不要を見極めること」です。
しかし実際には、社内の担当者だけで性質を仕分けるのは難しいこともあります。
RE:GENでは、元メーカー調達部門の視点から、
- 在庫の性質を仕分けるための分析
- 数字に基づく削減シナリオの提案
- 実際に在庫を“経営の武器”に変える方法
を一緒に考えるお手伝いをしています。
「在庫が多いな…でもどこから手をつければいいかわからない」
そんなときこそ、お気軽にご相談ください。
まとめ
- 在庫は少ない方が経営に優しい
- でも、多すぎても少なすぎてもバイヤーから不信感を持たれる
- 性質ごとに仕分けることで、ムダと適正が見えてくる
- 削減の前に「分析」から始めることが重要
在庫をただの“コスト”として抱えるのではなく、
「見える化して経営に活かす」ことができれば、取引先からの信頼も得られ、会社の強みに変わります。
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