粗利ばかりを追ったA社の、その後は…
装置組立を手がけるA社の社長から、こんな相談を受けました。
「うちは粗利率の低い案件はすべて断っています。利益率を守ることが会社を強くすると思ってきたんです。でも、最近どうも会社の体力が落ちてきているんです。」
決算を確認すると、確かに粗利率は30%以上を維持していました。
しかし売上総額は減少傾向にあり、固定費を十分にカバーできず、最終的な利益は思ったほど残っていません。
つまりA社は、“率は高いが利益は薄い” というジレンマに陥っていたのです。
限界利益にこだわりすぎる落とし穴
A社のように、粗利率にこだわりすぎると次のような問題が起こります。
- 売上機会の損失:粗利率が低いからと案件を断り、新規顧客や成長市場を逃す
- 固定費を賄えない:高粗利案件でも件数が少なく、全体の粗利が不足する
- 市場競争力の低下:価格で勝負できず、商談の幅が狭まる
- 組織の硬直化:「粗利が低いからやらない」という考えが根付き、挑戦を避ける
数字の体裁を守るつもりが、結果的に経営を弱めてしまうケースは少なくありません。
粗利率より大切なのは「粗利総額」
ここで一度、数字をシンプルに比べてみましょう。
- 粗利率40% × 売上100万円 = 粗利40万円
- 粗利率20% × 売上500万円 = 粗利100万円
粗利率だけを見れば前者が優秀ですが、会社に残る粗利総額は後者の方が大きいのです。
つまり、経営に直結するのは「率の高さ」ではなく「総額の積み上げ力」です。
調達改善で“低粗利案件”を利益に変える
A社にご提案したのは、「調達の見直し」でした。
- 仕入先を比較し直し、より有利な条件に切り替える
- 部品の仕様を必要十分なレベルに最適化する
- 過剰在庫を整理し、キャッシュロスを防ぐ
こうした取り組みで、これまで「粗利が薄いから断っていた案件」でも、十分に利益を残せるようになっていきました。
RE:GENは、調達一筋30年・300社以上の現場経験を活かし、
- 原価の徹底見直し
- 購買データの分析
- 調達ルート改善
- 現場と伴走する実行支援
を行い、低粗利案件でも利益を確保できる仕組みづくりをサポートします。
まとめ:粗利を積み上げる経営へ
粗利は確かに重要です。
ですが、それだけを追い求めるとA社のように成長のチャンスを逃してしまいます。
大切なのは、粗利率を守ることではなく、粗利総額を積み上げる経営。
調達改善によって原価を下げれば、これまで避けてきた案件も収益に変えられます。
「粗利にこだわる経営」から「粗利を積み上げる経営」へ。
RE:GENは、その一歩を現場とともに実現していきます。
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